開催年月日
2016年7月8日(金)
開催場所
スカパーJSAT株式会社 経営会議室
出席者
(審議委員)
- 委員総数:
- 7名
- 出席委員数:
- 5名
- 審議委員長:
- 高畑 文雄
- 委 員:
- 藤原 洋
- 委 員:
- 逢坂 剛
- 委 員:
- 崔 洋一
- 委 員:
- 二宮 清純
(スカパーJSATグループ)
- 西山 茂樹
- (スカパーJSAT(株) 代表取締役執行役員会長)
- 高田 真治
- (スカパーJSAT(株) 代表取締役執行役員社長)
- 小牧 次郎
- (スカパーJSAT(株) 取締役執行役員専務 有料多チャンネル事業部門長 兼 放送事業本部長
- (株)スカパー・エンターテイメント 代表取締役社長)
- 古屋 金哉
- (スカパーJSAT(株) 執行役員 有料多チャンネル事業部門 カスタマー事業本部長)
- 米澤 稔
- ((株)スカパー・ブロードキャスティング 代表取締役社長)
- 上田 徹
- (スカパーJSAT(株) チャンネル運営部長
- (株)スカパー・エンターテイメント 取締役)
- 渡部 康弘
- (スカパーJSAT(株) チャンネル運営部 BSスカパー運営チーム チーム長)
- 前川 利泰
- (スカパーJSAT(株) チャンネル運営部 チャンネル事業チーム チーム長)
- 植田 恭輔
- (スカパーJSAT(株) 放送営業部 企画プロデュースチーム)
- 軽部 岳大
- (スカパーJSAT(株) チャンネル運営部 チャンネル事業チーム)
- 長内 敦
- (スカパーJSAT(株) チャンネル運営部 BSスカパー運営チーム)
審議番組①「知力vs運力vs予言力!スカパー!160ch横断未来予想クイズ」
◆ 放送概要
放送日:6月6日(日) 14:30~17:30 無料生放送
放送チャンネル:BSスカパー!
◆ 放送コンセプト
- 年間スケジュールの重要期に行う、お祭り番組
→四半期に1度(加入販促の)重要期に実施。 - 多チャンネルの魅力を、番宣番組の体裁でなく、エンターテインメント仕立てで紹介。
- 地上波放送では真似できない企画
→160チャンネルに及ぶ裏番組を生放送でザッピングしながら、これから数分後の未来に起こる、放送される出来事を当てる、というクイズ番組形式のバラエティショー。 - クイズは、生放送の偶然性を装って進行していくが、実際にはCM尺も含め、秒単位で(正解シーンが放送される時間を)計算して実施されている。
- 過去2回放送し、今回で3回目となるが、認知も広がり推定の番組到達世帯数も、初回と比べ、大きく伸ばしている。
審議番組②「コパアメリカ センテナリオ USA 2016」
◆ 放送概要
放送日:6月3日(金)~6月26日(日)※全32試合 開催日は19日間
放送チャンネル:スカチャン0/BSスカパー!
◆ 放送コンセプト
- コパアメリカ関連番組を24時間放送する「コパアメリカチャンネル」を開局。シーズン終了後の、「欧州サッカーセット」加入者解約防止のため企画。
- 連日4時間以上の生放送を実施。
- 試合中継: 連日午前中に編成。南米サッカーの魅力である、個人のテクニック、プレーの激しさ、勝負へのこだわりを分かりやすく伝える。
また、日本のサッカーがより強くなるためのヒントを見出して、中継内で紹介する。 - コパアメリカ ハイライト!: 連日20:00-20:30。
- 俺に言わせぃ!サッカーおやじ会スペシャル!:連日23:00-24:20
解説者、ジャーナリスト、クラブ関係者などによる座談会番組。
- 試合中継: 連日午前中に編成。南米サッカーの魅力である、個人のテクニック、プレーの激しさ、勝負へのこだわりを分かりやすく伝える。
- 欧州サッカーファン全体に喚起:同時期に「欧州選手権EURO2016」を放送したWOWOWとの連動したキャンペーン等を実施。
- SNS等で、おやじ会が好評を博す。
審議番組③BSスカパー!オリジナルドラマ「ひぐらしのなく頃に」第1話
◆ 放送概要
放送日:5月20日(金)~ 毎週(金)21:00~22:00 ※全6話
放送チャンネル:BSスカパー!
◆ 放送コンセプト
- 「有名原作」×「人気アイドル」×「ホラー」の掛け合わせで、地上波では見られない、差別化したジャンルとして企画。
- 「有名原作」:サウンドノベル、漫画、アニメなど累計発行部数1300万部の作品の実写化。「原作に忠実に」再現する。
- 「人気アイドル」:AKBグループの「NGT48」を起用。BSスカパー!でも視聴接触率の高いアイドルジャンルを作品に取り入れる。ロケ地に新潟を採用し、地域とも連携を図る。
- 「ホラー」:バイオレンス等、地上波では見られないジャンルとして「ホラー」を開拓。
- 視聴者の反応①: 第1話の接触率は、オリジナルドラマ歴代2位。エリア別は新潟が属する甲信越地方の接触率が際立って高い。
- 視聴者の反応②: SNS等の反応では、当初実写ドラマ化に批判的な声が多数あったが、放送中から、原作の忠実な再現度の高さによりポジティブな反応に切り替わる。放送終了後は、原作ファンにも好評であった。
報告「BSスカパー!運用基準における反社会的・暴力・残虐シーン等の基準について」
◆ 報告事項
- オリジナルドラマ「ひぐらしのなく頃に」がホラージャンルで、話中に残虐シーンが含まれることを踏まえ、BSスカパー!の運用基準(SJC、SPBC、SPETの3社にて制定)に、「反社会的・暴力・残虐シーン」に関する基準を付記する。
- PG12、R15+、R18+、それぞれの判断基準および放送する際の対応策を制定。
審議委員よりご意見
■ 審議番組①「知力vs運力vs予言力!スカパー!160ch横断未来予想クイズ」
- インターネットが始まった頃に、ネットの普及に「ネットサーフィン」という手段があったが、それを彷彿させた。スカパー!のおもしろさを伝えるのにクイズ形式で見せる、というアイディアはよかった。
- クイズ形式の番組とザッピングでの番宣のバランスが難しい。クイズ番組に寄ってしまうと、3時間の放送尺が冗長なので、緩急つけた演出が必要。MCと回答者の掛け合いも(回答者のキャスティングにバリエーションがないので)一方的になるのも、構成上一考したい点。
- 各クイズについて、ちょっとしたカルト的なヒントがあれば、もう少しクイズそのものが楽しめたのでは?サッカー試合のクイズであれば、過去データの統計のようなヒントや、公営競技についても、その道の専門家から用語説明があるような演出があれば、視聴者が知らなかった分野の番組の導入として成り立つのでは。
⇒もともとはリアルタイムに「ザッピング」という、地上波ではできないことを元に、番組フォーマットとしては皆が慣れ親しんでいる「クイズ番組」という形にして、番組紹介するというコンセプトであったが、今回3回目の放送にしてクイズ番組としてこなれてきたので、「ザッピング」のリアルタイム性があまり強調されなくなってしまった。
■ 審議番組②「コパアメリカ センテナリオ USA 2016」
- 「コパアメリカ」というコンテンツの位置づけを明確化する必要がある。やっぱりサッカーといえば、W杯、次にユーロ、という認識が強く、特に「国の威信をかけた戦い」という言葉で説明してしまうと、前出2つのコンテンツに引けをとってしまう。そうではなく、コパは「国の威信を超えたもの」とすべき。コパはある意味とても古典的、そして世界の技術が集まっている、という魅力を伝える工夫をしたほうがよい。
- ハイライト、おやじ会のセットは、アメリカよりも南米を意識してほしかった。今年はリオ五輪もあることだし。おやじ会の飲食物も、もっと南米色を出して徹底して。また、おやじ会はフリートークではあるけれども、演出上の配慮でもう少し突っ込んだ(徹底した)話題も取り上げられたら、深みが出たと思う。また、南米サッカーに関するマニアックな解説や、その文化についての豆知識を差し込んだりして、サッカー初心者にも関心が持てるような内容もほしい。
- おやじ会があるなら、サッカー女子会も見てみたい。昨今の相撲や広島カープの女性ファンのように、ちょっとマニアックな専門的な女性ファンの座談会は興味がある。
- 今回WOWOWと連携して(欧州サッカー全体を)盛り上げたのは、とても大事だと思う。ただ、協調は出ていたが競争は少ない印象。ユーロvsコパ、WOWOWvsスカパーみたいな図式でつくるのも盛り上がるのでは。
- 現地制作(アメリカ)の映像についてのコメントについて、やはりどこか(サッカーに)詳しくなると、どうしても発想が内向きになる傾向がある。サッカーに詳しい出演陣、制作陣にとって「(サッカーがあまりメジャーではない)北米で開催されるコパアメリカは本当のコパアメリカではない」というニュアンスが伝わってしまう。それは自分たちの商品をおとしめることにも繋がっていくので、(番組中のコメントには)気をつけなくてはならない。
- 今回、コパアメリカの特設HPが非常に出来がよかった。デザインもスマート。また「ロッタリー」の企画も、香川選手を使った紹介もわかりやすい、ぜひ継続してほしい。
■ 審議番組③ BSスカパー!オリジナルドラマ「ひぐらしのなく頃に」第1話
- ターゲットがよくわからなかった(スカパー⇒30-40代の男性がメイン)、スカパーの視聴者が大体中高年かと思っていたので、制作主旨がよくわからなかった。また、昭和58年の時代考証が、特に言葉遣いが、なされていなかった印象。
- AKBの総選挙が新潟で行われるのに合わせて、さらにNGT48のメンバーも採用しているという企画はとてもよかった。ただそれがわかりにくいのかも。事前のキャンペーンなどでしっかり告知すればよかった。新潟の町おこし、地方創生にも一役買っているところもあるので、そこをもう少しアピールされると(もっとよかった)。
- これはオリジナル、というより原作ものである。その原作、とくにアニメ作品に熱心なファンが一定数いる。原作に忠実、というのは現在ある種トレンドではあるが、それと(時代考証等の)作品の完成度というのはバランスが非常に難しい。また、新潟という(AKB総選挙)要素も含め、いろいろなことを混在させた上での、ある意味政策的な番組なのだな、と認識した。
- オリジナル、という点では、今一番求められているのは、原作物のドラマ化よりオリジナルをスカパーが制作し、それがさまざまに汎用される、ということではないか。ネット配信の会社がドラマ制作に参入する時代、スカパーもその点も考えていかないと成長がないのでは。
- 地上波で受けるドラマとスカパーで受けるドラマは本当に違っていていいと思っており、(この作品は)これでスカパーらしいドラマの流れのような気がする。制作費も含め。
- コンテンツの面白さ、という点に関しては、訴求力、説得力というものは地上波、スカパーなど媒体は問わないのではないか。ただ、今回は原作を知らないとこの作品そのものが楽しめない。
⇒確かに本作品は、原作を知っている人に向けて制作した。(少なくない数いる)原作ファンを対象にしているので、原作に忠実に、が第一。時代考証は(原作に反することになるので)してはいけないという考え方で作った。スカパーが今後どのようなドラマを制作するかは、試行錯誤の段階であるが、今回はドラマを目的に加入する人のひとつのきっかけとして、この「原作忠実路線」は、「あり」だという手ごたえがあるので、ひとつの方向性としてやっていきたいと考えている。
以上