開催年月日
2016年2月15日(月)
開催場所
スカパーJSAT株式会社 経営会議室
出席者
(審議委員)
- 委員総数:
- 7名
- 出席委員数:
- 6名
- 審議委員長:
- 高畑 文雄
- 委 員:
- 藤原 洋
- 委 員:
- 逢坂 剛
- 委 員:
- 石井 苗子
- 委 員:
- 崔 洋一
- 委 員:
- 山本 浩二
(スカパーJSATグループ)
- 西山 茂樹
- (スカパーJSAT(株) 代表取締役執行役員会長)
- 高田 真治
- (スカパーJSAT(株) 代表取締役執行役員社長)
- 小牧 次郎
- (スカパーJSAT(株) 取締役執行役員専務 有料多チャンネル事業部門長 兼 放送事業本部長
- (株)スカパー・エンターテイメント 代表取締役社長)
- 古屋 金哉
- (スカパーJSAT(株) 執行役員 有料多チャンネル事業部門 カスタマー事業本部長)
- 米澤 稔
- ((株)スカパー・ブロードキャスティング 代表取締役社長)
- 上田 徹
- (スカパーJSAT(株) チャンネル運営部長
- (株)スカパー・エンターテイメント 取締役)
- 清水 泰貴
- (スカパーJSAT(株) チャンネル運営部 編成担当主管)
- 渡部 康弘
- (スカパーJSAT(株) チャンネル運営部 BSスカパー運営チーム チーム長)
- 江原 晃子
- (スカパーJSAT(株) チャンネル運営部 BSスカパー運営チーム)
- 軽部 岳大
- (スカパーJSAT(株) チャンネル運営部 チャンネル事業チーム)
- 今井 豊
- (スカパーJSAT(株) 事業戦略室 事業戦略部 開発チーム サービス開発主幹)
諮問「番組編集基準の改定について」
◆ 諮問事項
- 番組の光明滅の対応のため、(株)スカパー・エンターテイメントの放送番組の編集基準を改定し、以下の項目を追加する。
「2. 当社は放送番組を次の基準によって編集する。
(中略)
(9)一般社団法人衛星放送協会放送基準及び広告放送のガイドライン
一般社団法人衛星放送協会放送基準に十分留意し、広告放送のガイドラインを指針とする。」
※ (株)スカパー・ブロードキャスティング、スカパーJSAT(株)の編集基準にはすでに上記項目が入っている。
◆ 改定の背景
- 地上波では、1997年テレビ東京で放送された「ポケットモンスター」で激しい光明滅により、一部の視聴者が体調不良を訴えたことによって、NHK・民放連で「アニメーション等の映像手法に関するガイドライン」が策定された。
- 衛星放送では、2014年スペースシャワーTVで放送された「布袋寅泰 ミュージックビデオ」で激しい光明滅により一部の視聴者が体調不良を訴えたことにより、一般社団法人衛星放送協会から光明滅への対策指導があった。
◆ 対応状況
- 2015年11月より放送センターにて「パカパカチェッカー」(光明滅を自動検知するシステム)を導入。放送前の番組検証と該当番組の編集対応(テロップ等)を実施。
審議番組「モノクラ~ベ」
◆ 放送概要
放送日:毎週日曜日 21:00~22:00 ほか
放送チャンネル:BSスカパー!
◆ 放送コンセプト
- 「地上波では絶対にできないバラエティ番組」
⇒CMスポンサーの影響を受けないBSスカパー!ならではの企画。普段の生活になじみのあるメーカー等企業の商品を、タイアップを受けずまったく中立な立場から比較検証、商品購入時の参考にしてもらおう、という番組。 - MCに堀潤さん、ゲストに毎回専門家とその商品を購入検討している芸能人を迎え、最終的にどちらの商品を購入するか、ゲストが決定する。
- 視聴者からも好意的な反響が多い。
- 2015年12月に生放送した年末特番は、ニコニコ動画と連動して認知拡大した。
活動報告「スカパー!4Kの取り組みについて」
◆ 4Kチャンネルの概要報告
- 4K、8K推進のためのロードマップ(総務省)、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催時に4K、8K放送の普及を目指す。スカパー!では、2015年3月に商用放送としては世界初の4Kチャンネルを2つ(スカパー!4K総合/スカパー!4K映画)を開局。他局に先んじて取り組んでいる。
- 4K番組は、高解像度で画像がきれい、というだけでなく、表現の幅が広がるところに可能性が見出せる。
(広画格での臨場感あふれるスポーツ中継、35ミリフィルムのデジタルリマスター等)
◆ 更なる高画質化について・・・ハイダイナミックレンジ(HDR)技術について
- 「高輝度を含むシーンが白くつぶれず、自然に見える」
- 明暗表現できる範囲が広く、屋外でのスポーツ中継や、ホールでの音楽ライブ(暗い会場でのレーザー光線の演出等)に適す。
- Netflixの4KドラマがすべてHDRで制作されている。
報告「BSスカパー!運用基準における性表現について」
◆ 経緯
- 2015年12月にBSスカパー!で一部生中継した「24時間テレビ エロは地球を救う」に関して、過去13回実施しているが今回初めて、ご契約者の方や一部報道機関等からご意見やお問い合わせをいただいた。
⇒内容は「違法性」「倫理的な問題」「募金の使用用途」「基幹放送のBS波でのイベント中継」など。 - 上記を受け、2016年1月にBSスカパー!の運用基準に性表現に特化した部分の内規を設ける。
⇒性表現の強度を4つ(強から軽微まで)に区分けし、それぞれの放送基準を設定。放送する場合の対応(ペアレンタルロックなど)を決めた。
審議委員よりご意見
■ 諮問「番組編集基準の改定について」
- 一方でパカパカチェッカー等により高輝度の映像を検知して抑え、他方、4KやHDRのような技術で高輝度の映像表現を追及する、と一見矛盾しているように見えるが、今後の対応は?
⇒表現としての機能は上げるけれど、同じような(光明滅の)激しい部分は映像編集の段階で控える対応をする。
■ 審議番組「モノクラ~ベ」
- 比較対象となったメーカー(企業)からは、何か問い合わせはあるのか?
⇒問い合わせはあった。勝っても負けても公平な状況で検証しているところを好意的に受け止めていただいた。新商品の提供協力の申し出をいただいたが、番組の性質上、丁重にお断りをした。 - (シリーズが続いているようだが)商品比較を、計測可能なデータとして表れるようなものならいいが、着心地とか、そのような趣味の問題になってくると比べようがない、そういう意味でだんだん比較対象が少なくなって尻すぼみになってしまうのでは。
⇒主観が入ってしまうとまったく比較にならないので、基本的にはデータを取っていく形をとらせていただいている。だから得てして機械ものが多くなる傾向はあると思う。 - 消費者目線を徹底してほしい。そうであれば、特にクレームのつけようがなく、長続きする企画だと思う。
■ 活動報告「スカパー!4Kの取り組みについて」
- 4K、8Kの普及については各民生機というのはどのような状況か?
⇒以前地デジが始まったときのような状況ではない。当時はアナログテレビが見られなくなる、という状況だった点が異なる。4K、8Kは(地デジ放送と)並行してやっている。ただ、(家電現場では)いわゆるリビングに入るテレビは大体7割くらいが4Kテレビになり始めている、ということだ。4Kテレビが家庭に入り始めたのがここ2年くらいなので、今後は(4Kテレビの普及は)相当数が見込まれると考える。 - (普及のキーとなるのは)最終的にはコンテンツ。いくら画面がきれいになっても1ヶ月もすれば見慣れてしまう。(4Kデモで観た)野球中継のように、(ボールの行方だけを追いかける)旧態依然とした中継を、野球のゲーム全体を俯瞰するようなシーンが入れられることによって面白くなるはず。
⇒民生機の話でいえば、最近の家庭に入るテレビは大型化が進み、やはり高画質の需要は高まってきている。もちろんコンテンツが面白くなければ、そもそも見る必要がなくなってしまうこともあるのだが、ことライブ、臨場感を持って放送する、というのは(家庭のテレビの大型化という)現状も影響がある。
■ 報告「BSスカパー!運用基準における性表現について」
- (この運用基準は)、例えば海外ドラマ等で性犯罪特捜班などのテーマでは、一番性表現基準が厳しいランクになるのか?裸の映像こそ出てこないが、番組内容はかなり過激になっている。
⇒海外ドラマ等については、それぞれ事業者が独自に基準を持っている。今回はBSスカパー!で放送する自主制作編成番組が対象。放送の可否は局ごとの判断になる。今回の基準は基本的には編成上の自主規制のガイドラインで、最終判断は編成の責任者となる。
⇒他の有料放送のチャンネルと違うのは、契約者無料というスクランブルをかけた放送だったが、スカパー!を契約している家庭では子どもでも視聴できてしまう点において特殊な番組であった。 - 今回はじめてクレームがはいったのか?
⇒以前までは、イベント運営そのもの(長時間並ばせられる等)へのクレームであったが、今回はイベント趣旨そのものに対してどのように考えているのか、という問い合わせがこれほどあったのは初めてだった。 - 結局コンプライアンスというものは作り手と送り手の、一人ひとり関わった者の倫理観によるところが強い。内規・社則などの(縛りがあると)どうしても(番組制作の)萎縮が始まったり、よくない影響を懸念する。
- 今回はそもそもの(AIDS撲滅チャリティという)主旨と(イベント内容との)乖離を、視聴側に感じさせる側面があったことが問題のひとつとなっている。プラットフォームも放送事業者もその部分は少し慎重に対応を。あらぬ規制を呼び込むことにならないように願いたい。
- (主旨との乖離という点では)この番組タイトル「AIDSチャリティ24時間テレビ エロは地球を救う」というのでは、そもそも真面目な内容は考えにくいが。
⇒もともと日本テレビの裏で開催されていたイベントでパロディであるが、チャリティイベントとして成立するように真摯に取り組んできた。 - 今回の番組を成立させるのであれば、もう少し配慮が必要。パロディを含めある種の批判性を持った番組というのは常に危険をともないつつ進行していくものである。
- 今後、この番組およびイベントの実施はどのように考えるのか?
⇒(BSスカパー!として)放送部分のみの判断であるが、さまざまなご意見・ご指摘もあることを真摯に受け止め、かつ番組審議会でも意見を頂戴し、それも含めた判断をさせていただく。 - AIDSのエイドは他でも(コンサートなど)さまざまな形でやっているので、他との連携も考えたほうがスカパー!らしい。
⇒今後検討する。ただ、ここで改めて申し上げると、BSスカパー!の編成方針として、スポンサー等さまざまな制約の多い地上波とは違うテレビの可能性を追求したいとは考えている。 - 議論を重ねるべき案件だと思う。絶対的な基準というものがない時代背景もあるので。有料チャンネルにアダルトがあることは特異なことではないという認識のもとに意見した。